橘家の手紙には、感謝の気持ちがたくさん詰まっていた

懐かしいことも、笑えることも、書いてあった

中学校の友達にも、会って別れを言えたこと

クラスの友達と仲良くなれた喜び

最後には

『あっちゃんと私は、光と影
あっちゃんは、いつも皆を照らしてた

てっちゃんと私は、太陽と月
どんなに手を伸ばしても、届かないような反対側にいたよね
      
ごうちゃんと私は、磁石ならNとS
私達は、双子みたいに一緒だけど、好みとか合わなかったね

ずっと、一緒に居たかったよ

橘家、大好き!!


さようなら         萌來 』


と書いてあった






手が届かないような所に、行ったのはめぐなのに……







俺は、栗原家の庭に出た






深呼吸して、俺にだけ書いた手紙を開く


『てっちゃん へ

天国は、いいところです!!
とても綺麗な草原が広がって、転がり放題だよ!楽しいよ!!
気持ちいい風が吹いて、草や土の匂いが
とっても素敵なの!!
あのね
てっちゃんに、会って貰いたい人がいます!
○×交差点の事故で、私が出会った素敵な人です!
佐藤 華さん
てっちゃんを癒してくれる人だよ!
私は、あの日、佐藤さんを見て直感した
佐藤さんは、てっちゃんを好きになる!
てっちゃんも、佐藤さんを好きになる!
だから、私はてっちゃんに、連絡しなかったのかもしれない
私が生きてるうちは、私を見て欲しかったんだと思う
わがままだよね……
今は、生きてるうちに2人をくっつけて
幸せな2人を見てから逝けばよかったと
悔やんでいるよ
だから、佐藤さんに会って下さい!!
そして、私の事は、忘れて下さい!!

さようなら   萌來』


「めぐのクセに……
忘れられねぇよ……どうやって忘れんだよ!!
のんきに天国楽しんでんじゃねぇよ!!」



「忘れちゃダメだよ!
絶対に、忘れちゃダメだよ!!」



俺の背中にそっと置かれた手



「ははっ……
めぐが、佐藤さんに会えって……
もう、会ってるし!!あははっ」


「ダメだよ!泣きたい時は、泣かないと」







俺は、また佐藤さんの肩を借りて泣いてた