「俺はそういうのはどうかと思うが、みんながやると言うなら公平を期すために参加するべきだろう」
高浜さんまで。
「とか言って、内心あのバカ息子に、めっちゃむかついてたじゃないですか」
矢作さんが突っ込む。
「矢作、無闇に人の心を読むな」
漫才をしているような3人を交互に見る。
そういえば、新城さんの姿がない。
「新城さんなら、休憩中だぜ」
矢作さんが私の気持ちを見抜くように言った。
そっか、休憩中か。
昨日あんなことがあったので、顔を合わせるのが気まずいと思っていたからちょうどいい。
「仕方ない、もう班長に決めてもらおう。それが一番公平だ」
高浜さんがため息を吐く。
けれど、若い二人はうんと言わない。
「じゃあ手っ取り早くじゃんけんかアミダくじで決めればいいのでは?」
提案するけど、二人は首を横に振った。
「じゃんけんは矢作さんが、アミダとかくじ系は高浜さんが絶対有利だもん」
大西さんが頬を膨らませる。
私もじゃんけんなら勝てる自信あるけど。
「どうして有利なんですか?」
「だって矢作さんは人の心が読めるし、高浜さんは透視能力があるんだよ」
「……は?」



