『ひええっ』
両手で頭を抱えてかがんだアホ息子。
『……私や新城さんは、これよりもっと怖い思いをした。両親は、お金では買えないものを失ったんだ。永遠に』
『は、はい、ごめんなさい、ごめんなさい』
『本気で悪いと思うなら、その腐った根性叩きなおせ! 二人で政界から手を引いて、田舎で農家でもやったら。 あんたたちが日本の中枢にいると思うと、嫌悪で吐き気がする。もっとも、農家だってまともにできやしないでしょうけど』
一気に言い放つと、二人は黙ってうつむいた。
頭に蜘蛛の巣が張ったようなこの二人に何を言ったってダメだろうな。
政治の現場に限らず、自分の保身ばかり考える人間の、なんと多いことか。
『……とにかく、今後は人に迷惑をかけず、真面目にお仕事してください。そして、私が出した条件を守ってください。守らなければ、すぐにわかりますからね。その時はこっちだって、あなたたちの犯罪の証拠を出してやりますから。たとえ私を殺したって、この証拠は確実に世間に露呈します』



