両親を死に追いやった張本人だ。追いかけて殴りつけたい気持ちはもちろんあるけど、今はそれよりも、新城さんのことが気がかりだ。


「テロリストもいたんですか」

「うじゃうじゃとな。火が大きくなるにつれて数は減ったが」


高浜さんの背後を見ると、この大きな屋敷にはおよそ似合わない、物騒な格好をした人たちが気を失ったまま運ばれていた。

おそらく、三田さんが雇ったテロリストは、外務大臣を狙ったのだろう。

いつも真っ白な肌で笑っている大西さんが、すすと汗まみれの顔で大きなため息をついた。


「マジ勘弁してって感じだったよ。新城さんと矢作さんいないしさあ。他の班のSPがいなかったらやばかったって……そういえば、新城さんは?」


私と矢作さんは、無言で焼け落ちていく離れを見上げた。

元の建物の形は、吹き出す炎と煙でもうわからない。


「まさか、まだ中に──」


高浜さんが離れを見上げる。