「後ろ！」
叫ぶと同時、ヒュッと空を切る音と共に、ナイフが突き出された。
新城さんはそれを紙一重でかわすと、警棒を持ったまま、相手の腕を脇にはさむ。
そんな彼に、木刀の男がその大きな刀身を力任せに振り下ろす。
体をぐるりと回転させてそれをよけた新城さんは、ナイフを持った男の手の甲を、警棒のグリップで打った。
「うぐあぁっ」
ナイフを落とした男は、手を押さえて崩れ落ちる。
それを見届ける暇もなく、新城さんは木刀の男に向き直る。
その瞬間、相手の木刀がぴしし、と音を立てた。
最初の打ち込みで入っていたのであろうひびが、木刀全体に広がっている。
でもまさか、いくら警棒が金属でできているとはいえ、木刀を木端微塵にできるわけが……。
見守る新城さんに、別の男たちが襲いかかる。
「危ないっ」
