「おう、昼休みか?」
やましいことなんかまるでないと言うような、いつものクールな表情。
「ええ。ところでこちらのお方は?」
国分邸にいるはずの新城さんが、なぜ警視庁にいるのかも気になるところだけど。
まずは一番気になることをきいてしまえ。
「ああ……彼女」
な……なんだと!?彼女だって!?
では、出会ってから今までのアレやコレは、いったいなんだったんだ?
頭を鈍器で殴られたような衝撃に、口をきくのも忘れてしまった私に、新城さんは涼しい顔で付け足した。
「高浜さんの」
ん……たかはま、さんの?
高浜さんの彼女!?
それはそれで衝撃……。
大人で、今時のイケメンというよりは石原軍団にいそうな高浜さんの彼女は、もっと背が高く、古風で綺麗な人だと勝手に想像していた。
けれど目の前にいるのは、綺麗というよりは可愛い、普通の女の子だ。
メガネをした小さな顔についている口が、ぽわんと半開きになっている。
でかくてキツイ顔の私と対極にあるその人は、きょとんとした顔で私を見上げていた。



