〜栞里Sido〜



「……あれ、どっちだっけ?」



あれから2分くらい歩いて、あたしは迷子になった。


「確かこっちだと思ったんだけど…」



あっちこっちウロウロするが、まったく見覚えのない道ばかり。


さっきはいきなり連れてかれたから、周りを見てる暇なんてなかったし…

相馬さんを呼ぼうにも今は仕事中だろうから迷惑かけられないし…



うーん、と考えていた時。



「ねぇねぇっ!」

「えっ…?」

「さっきからこんな所でどうしたのー?もしかして迷子?」


話しかけて来たのは2人の男。


あっ、そうだ…


「あの、家に帰らないといけないんですけど、道に迷ってしまって…」


この人達に聞けばいいんだ…


「やっぱり迷子?いいよっ、俺達が連れて行ってあげるよー♪」

「本当ですか?」

「うん、困ったらお互い様だろ」


なんていい人達なんだ…


「ありがとうございますっ!」


深々と頭を下げた、その瞬間…







ーーーーードカッ…っ、



お腹に感じた殴られたような強い痛みと一緒に、あたしの意識は途切れた。