「「行ってらっしゃいませ」」
「行ってきます」
使用人に手を振って車に乗り込むとゆっくりと動きだした。
「栞里様、今日は何時頃お迎えに上がりますか?」
「んー、いつもと同じでいいよ」
「4時ですね、分かりました」
家も学校も変わらないし、残っててもつまんなしな…
ていうかお嬢様自体がつまんないし面倒くさいんだよなー
「…クスッ」
「相馬さん?」
「あぁ、申し訳ございません。栞里様があまりにもアホみたいな顔をしていましたのでつい(笑)」
「…相馬さんってたまにあたしのことバカにしますよね」
「そんなことはありませんよ。そのアホみたいなお顔も栞里様の魅力ですから、とても素敵ですよ」
褒められてるはずなのに素直に喜べないんだけど…
そんな会話を続けていたらあっという間に学校に着いた。
「それでは今日も頑張ってください」
「うん、じゃあね」
ここはお嬢様ばかりが通う学校。
名前は“青蘭学園”
「ごきげんよう」
「今日も良い天気ですね」
「心が晴々しますわ」
うぇっ、今時こんな言葉使うのここだけなんじゃない…?
「まぁ〜九条さん、ごきげんよう」
「おはよう、みんな朝から元気だね」
「九条さんもお変わりなく今日もお綺麗ですわ」
「ありがとう」
綺麗って言われるのは好きじゃない。
周りはみんな家柄や容姿を見て反応を変える。
あたしは周りから見れば見た目は上の上で、綺麗らしい。
でもそれは妹の朱理も同じ、あたし達の中を見てくれる人は誰もいない。
全員外ばかり。

