「いえ、大丈夫です。割と近い所に家があるので持って運べますし」
あっさり断られたので少ししょぼんとする。
でも、考えてみれば当たり前だった。
今日ここで初めて会った茶髪高校生が重そうだから家まで送ってあげると言っているのだ。
変な奴だと疑わないほうがおかしい。
「そ、そうですよね。いやいいんです。ただ、譲ってもらったお礼をしていないなと思いまして」
「そんなのいいですよ。私が取っちゃっただけなので」
「いや、でも」
そう引き下がらない僕を見て彼女は微笑んだ。
「じゃあ、こうしましょう。もし、もう一度私たちが会えたのならその時はお礼をしてください」


