プルトップを開け冷たい珈琲を一気に流し込む。
喉元にひんやりとした感覚が押し寄せる。
「ふーん、また、それは珍しい」
「千景もあってみれば、分かる。」
興味のなさそうな千景にそう付け足し俺は、飲み終えた珈琲のカンに視線を落とした。
「紘はさ、その子に期待してんだぁ?」
不意に視線を上げると千景が窓側にもたれながらそう笑っていた。
「期待?」
「そ、俺たちを変えてくれそーな、そんな期待。違う?」
期待か、そうだな。
期待しているのかもしれない。今だからこそ、そう思うのかもしれない。
俺は、待っているのかもしれない。
俺たちを救ってくれるそんな奴を。


