あの日の桜は。【大幅修正中】


海里SIDE

「あの日、玲は言った。俺の後輩を、愛桜を救ってくれと。その時点で私は断れたはずだった。でも、断らなかったのは、玲の頼みだからじゃない。恩返しのつもりなんかじゃない。そんな、事じゃない」

 少し、強めの口調で言っていた莉子が一旦言葉をきり、そして、今度は穏やかな口調で

「人って言うのはそんなに簡単に嫌いになれないんだよ」

 その声がどこか、もろくて、そして、儚く笑っているように思えた。

 それは、お前だけじゃねぇよ。

「海里もごめん、私のわがままに付き合ってもらって」