あの日の桜は。【大幅修正中】


______助けて!

 そんな声が聞こえたのは。

 繁華街の騒がしい音にかき消されそうなくらい小さな声で、だけどしっかりと私の耳には届いた弱弱しい声。

「龍、今の聞こえました?」

 隣の龍に問いかけると神妙な顔で頷いた。

 だけど、行くのを躊躇しているようにも見えた。

 あぁ、私がいるからか。

 そんな理由で助けを求めていること見逃したりなんかしたら私はずっと悔むに決まっている。

 このあたりでの“そう言う事”は日常茶飯事ともいえる。

 そんな日常にたまたま遭遇しただけで私と龍が助けに行く理由なんて全くないのも確かだ。