「こんなんが、仕掛けられてたとは、あの状態で良く演技をつづけられたよねぇ。後で抜けだしたのって血を洗い流すためでしょ?で、それがばれないためにあの日倉庫に来なかった、違う?」
千景は刃を見ながら口に弧を描き、向かいあっているもう一つの下駄箱に背を預けた。
「ピンポーン、お見事です、と言いたいところですが、一つ語弊があるような気がします。さっきの言葉じゃ千景が私を心配していたというような意味に聞こえるんですけどね?」
千景を見据えると目を細め、悪戯っ子のようににこっと笑った。
「その言い方だと、まるで俺が莉子を心配していなかったっていうように聞こえるんだけどなぁ。俺バカだから何が言いたいのかわかんないや」
「遠まわしなの苦手なので簡単に言うとあなたは私を仲間として受け入れていないからどうでもよかった。仲間以外はどうでもいいって思っている、違いますか?」


