「・・・綺麗」 「好きなのか?桜」 不意に頭上から声が聞こえた。 さっきまで気付かなかったけれど、樹の上には人がいたようだった。 今、分かった。 この場所に不思議なほど人が寄り付かない理由を。 だからこそ、私はすぐに顔を上げることが出来なかった。 だって、彼だったから。 玲が言っていたのは彼だったから。 確証、そんなものなど必要なかった。