だけど、それを言えない辛さ、もどかしさは、龍はわからないでしょ? 「だったら」 「でも、龍が過去にとらわれていることは見ていて分かります。今日だってそうだったでしょう?」 歩くペース、キョリ、話し方、呼び方、周りの人を見る目がそうだったから。 女子に対しての拒絶をしているように見えたから。 「っ、俺のことっ何も、何も知らない癖に。俺がどんな思いをしてきたかなんて」 龍のスプーンを持つ手が止まった。 私はポテトをつまみながら龍を見た。