私は髪をほどき、ゴムをポケットへとしまった。

「あぁ、なんか悪りぃな。せっかく結ってたのに」

 陸が落ち込むことでもないのに。

「もう一度やればいい事ですから。じゃあ準備できました」

 陸がバイクにまたがった後私はその後ろに乗った。

 腕を陸のおなかに回し、体を背中にくっつけた。

「ちょ、ちょっと近、いやなんでもない」

 横から少し見えた陸の顔は少し赤かった。

 そのまま、エンジンをつけるとバイクは発進した。

 風が気持ちいい。