「わかってるって、人懐っこい性格が裏目に出なきゃいいけどねー」
 
 もしも莉子がスパイで取りいられでもしたら。

 まぁ、そんなことはさせないけど。

「それはないんじゃない?あの子がいるんだし」

 あの子が意味するのは俺らの中でただ一人だ。

 今頃、海外満喫でもしているのだろう。

「とりま、俺疲れたから帰るねー」

 パソコンを葵に返し、カバンを持って幹部室を出た。