「へぇ、なかなかいいマンションじゃん。もしかしてお嬢様だったり?」 本当、お嬢様にでもなった気分だよ。 毎日こんなマンションに住めて。 だけど、残念ながら私はどこかの令嬢でもない。 「違いますよ、じゃあ、私はこれで。あと、莉子でいいですよ」 帰り際に振り返りそう言った。 「じゃあねん、おやすみ」 ただそれだけ言うと千景は来た道を返していった。 話したかったからってのもあるかもしれないけれどちょっとあるきはきつかったかな? そんなことを思いながらマンションへと入った。