「じゃあ健太またあとで!」
晶斗はそう言って戻っていった。
「沙織は行かなくていいの?」
「戻るけど…健ちゃんにこれだけ言いたくて」
「ん、なに?」
沙織はこれ以上ないくらいの笑顔で…
「来てくれてありがとう、お兄ちゃん!大好きだよ!」
目の前がぼやける。
涙が流れてくる。
俺も…俺も大好きだ。
妹の沙織が大好きだ。
「け、健ちゃん?!どしたの?」
「なんでもない…幸せにしてもらえよ」
「うん!じゃあ戻るね」
沙織の後ろ姿を見ながら思う。
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