「バラはやっぱり女王だわ。どのバラも気品がある」 香りを嗅ぐ沙那さんを一枚切り取る。 淡いクリーム色のバラに寄せる横顔が神聖なもののように綺麗で思わずシャッターを押していた。 事前に許可をもらっているとはいえ、予告なしで撮影してしまった。 わずかな動揺をすぐに見抜いて沙那さんは笑いかけてくれる。 「いいわよ気にしてないから」 カシャ、カシャ その笑顔も記録に残される。言葉を返すかわりに、シャッター音で応えている。