目の前をよぎる魚は、人を恐れずにすぐ近くを泳ぎ去る。 目で追って、ゆっくりと後を追う。 鮮やかな魚を、焼き付けるようにシャッターを切っていく。 狙った場所に、狙ったように被写体が来ると、嬉しくなって吐き出す泡が大きくなる。笑いの形に広がった泡は、銀色に輝きながらゆらゆら海面を目指して登っていく。 久しぶりの海に夢中になってシャッターを切っていたけれど、エアーの残量が僅かになり、渋々と海面まで浮上する。