「いいって。ミオがしたいことなら応援するし、いまのミオがいいんだから」
くしゃくしゃと髪を混ぜたら、目の縁を赤くしてすねたミオが手を払った。ぐすんと鼻を鳴らしているのも初めて見る。
「あーもうやだ。あたしばっか格好悪い」
「俺なんて格好いいとこもないよ」
驚いたミオが、頭を振って否定してくる。俺が自分で言ったことなのに、認めようとはしない。
「そんなことない! あたしは結輝がいいの…」
いつも素っ気ないくらい関心を示さないミオが、素直に気持ちを口にしてくれて、待っていたかいがあった。
手を引いて抱き寄せると、すんなりとミオが腕の中におさまる。いつもこうならいいのに。ふわふわの髪に頬をすり寄せると、ミオの香りがした。
視界の端に入った時計は、もうすぐ夜中の12時をさそうとしていた。ミオの誕生日はあと数分しかない。
「俺もミオがいい。誕生日おめでとう」
これからもミオがこの仕事をプライドを持って続けるなら、こういったことはあるだろう。
我慢するとか、させるとか、ミオは気にするかもしれない。それならそのたびごとに気持ちを伝えるしかない。
「愛しているよ」



