「いいんだって俺が残しておきたいんだ」

むっとしたミオが、頬を膨らませるのをシャッター音で黙らせる。呆気にとられていたのが、音が途切れるとともに怒りをあらわにして目をつり上げた。

「もう酷い、あたしの言うこと聞いてない」

「聞いていない訳ないだろ。どんなミオだっていいし、どんなミオだって見てみたい。まだ知らないことばかりなんだから、喧嘩したっていい。ミオは言いたいことを言ったらいいだろ」

うつむくようにして、やっと搾り出す声は小さくても意志がこもっていた。

「……変顔は嫌なの」

「変じゃない、ミオはミオだ」

至極真面目に答えると、呆れたミオが口を開いた。

「どんなあたしでもいいって言うなら、もう返品不可だからね」

「いいよ。ずっと一緒に居るから」

「ああ、もうバカなんだから……」

顔をおおったミオの髪の毛を撫でると、いやいやをするように、頭を振った。

「あたし、可愛い事とか言えないし、意地っ張りの仕事人間でしかないよ」