「結輝が、ここに居てくれて良かった」
照れた笑いになりながら、シュガークラフトのまわりに、果物を敷き詰めていく。
輝くような色がこぼれ、宝石箱のようにきらきらとした。輝きを増すように、温めたゼリーで表面をおおうまでミオは喋らなかった。
ケーキをあちこちから確認してやっとどうかな、と首を傾げた。
「旨そう」
くしゃりとした笑顔でミオが心から喜んでいるのがわかった。
「写真撮ろうか」
「うわ、待って何もしてない」
カメラを取り出すと、慌てたミオが手で髪をなでつけたり、服を直したりした。
「撮らなくちゃダメ? 」
「ダメ。待たせた罰」
深呼吸したミオが、覚悟を決めてケーキの後ろに立った。
「固いなぁ」
「いきなり言われるんだもの、仕方ないじゃない」
隙をついて口を尖らせたミオの写真を撮ってやる。
「あっやめて今のなし」
顔の前で手を振って、なしなしとジェスチャーをしてくる。
「良く撮れてるよ。つのくち」
「良く撮れてるなんて言わないよ、つのくちなんて」
「ふくれっ面でもいいけど? 」
「そんなのダメ。残しておきたくない」



