祝福に沸く人の輪の熱狂がひいてから、ゆっくり沙那さんに近づく。 噛み締めていないと歯がかちかちいいそうで……一歩一歩確実に歩かないと、振るえてしまいそうで…… 俺に気付いた沙那さんの目にまた涙が盛り上がる。頬を押さえた沙那さんの様子から、御山さんも俺に気がついた。 支えるように抱き寄せた御山さんを見て、悔しいけれどやっぱり敵わないと思った。 「沙那さん…少しでも俺を好きになってくれてありがとう」