左胸にあるポケットから取り出したベルベットの小箱は、そのまま心臓から気持ちを取り出したように見えた。

そのまま伸ばされた左手に血が通うように、御山さんの気持ちが込められているようだった。



固唾を飲んで見守っていた人達から、わあっと歓声と拍手が沸き上がる。

ぼんやりと見ている俺の横で、やっぱりもらい泣きしているミオが盛大に拍手していた。



あぁ、俺振られたんだ。



御山さんが言っていたことは本当だったんだ。沙那さんがそんなに悩んでいたなんて知らなかった……

気付けなかった時点で、俺は負けていたんだ。