「あいつは独りで悩んで、独りで決めるからね。気づいてやれないなら、俺がもらうけど」

言われた言葉に打たれるように顔を見ると、ふざけて言っているようには見えなかった。

「何かあったんだろ? 溜息をついているし、いつもより手をとめて考えこむ時間が長い」

前日に準備する沙那さんを、料理の仕込みで来ていた御山さんは見かけたんだろう。


朝の支度でブーケを届けた沙那さんは、いつもと変わらないようだった。


「聞いてみます」

「沙那は、きっと言わないよ。自分のなかで答えが出るまで話すような奴じゃない」