「沙那さんのお母さんだけあって、似てられますね。とってもお綺麗です」
「やだ。口もお上手なのね」
ぱたぱたと手を振っているさまは、大人の女性なのに可愛らしい。育ちの良いお嬢様が、そのまま母親になったような感じだ。
「お世辞じゃありません。沙那さんと姉妹みたいにお若いです」
そう言うと恥ずかしがって、またぱたぱたと顔の前で手を振る。
「やだ、あたしが老けてるってこと?」
左側だけ口角をあげた沙那さんは、意地悪く呟く。
「違うでしょ。お母さんが若いって話だよ。沙那さんだって、すごく…きれいだし…」
最後のほうは、ごにょごにょと声が小さくなる。こんなに、面と向かって褒めたことなんてなかったと、言いながら気がついたからだ。



