ただ家族に紹介すると言っていても、病気の母親となったら一気にハードルが高くなる。 病気の母親を安心させたいだけだとしても、この先に沙那さんのウエディングドレス姿を期待されるんじゃないのか。 好きだったら、何をしてもいい訳じゃないし、こちらの意思を確認してくれないことに苛立ちがある。 考え込んでいるうちに、エレベーターが到着して乗り込むと、沙那さんが慣れた様子で6階を押す。 ちらりと階数案内を見ても、何科の病棟だといような表示はなくて、病気について詳しく聞いていいものか悩んでしまう。