「好きになると、途端に怖くなることがあるだろ?」 優しい顔をした礼治さんは、体をこちらに向けたまま話す。 目を見つめたまま、頷くと唇の端がちょっと上がる。 「嫌われたくないとか、うざいと思われないかとか、ちょっとしたことで不安になったり悩んだりするだろ」 俯くと、なみなみと注がれた酒に眉尻の下がった情けない顔が浮かんでいた。 「こんな俺でいいのかって……どうしたら釣り合うのか悩んでばかりです」