「一部の人が噂していたんだけどよ。
本当かどうかわからねぇよ?

ソイツ自身、家庭事情がそこまで良くなかったみたいでよ。
小学生の時はいじめられていたって言う奴もいたな。

そういうのとか複雑に絡み合って、ソイツを“スクール・キラー”へ育て上げたんじゃないかって」




“スクール・キラー”は、作られた?

周りの、かつて自分を追いつめた人たちによって?





あたしが今まで聞いた話は全て、

“スクール・キラー”の人格が作られてからの話だったのかな?

本当の“スクール・キラー”の正体を、あたしは知らない?




「アテになるかわからねーけどよ。
まァ、オレたちはその“スクール・キラー”じゃねぇから」

「わかった…」




取り巻きや彼女を連れ、行こうとする池川。

あたしはその背中に向かって、名前を呼んだ。




「今度は、仔猫をいれる真似はしないで。
殺される仔猫の気分になって」

「…………」




池川たちは何も言わず、行ってしまった。





「…“スクール・キラー”…待ってて。
あたしが必ず…アナタを、見つけるから……」