妙子の、貫いてしまいそうな視線を受けた男子は。

「……行くぞ」と情けなく、仲間を連れて行ってしまった。






…庇った?

なわけ、ないわよね…?






「……大体さぁ」




溜息交じりに、里沙があたしの元へ来る。





「何で久我さんはぁ、抵抗しないのぉ?
この間リサたち相手には抵抗したくせにぃ。

…そんなにぃ、真宮美弦が好きなのぉ?」





スッと手を差し伸べてくれる里沙。

あたしは戸惑いがちに、その手を握った。

立ち上がって、スカートについた砂などを払い落す。






「……好きだよ」






今度は、妙子が溜息をついた。






「じゃあ、これからもああやっていじめられることね。
それが嫌なら、退学でもしなさい。

……真宮美弦を嫌いになるまで、続くから…」





白旗振らない。

負けない。

退学なんてしない。





1人じゃないもの、あたしは。