……つもりだった。








「ッ!?」

「ミミちゃん。
僕にまで隠し事しないで」





目を細めた、哀しそうな表情で、真宮くんがあたしを見つめる。

あたしの腕には、真宮くんの指が食い込んでいた。

痛くはないけど、掴まれている部分だけ熱があるみたいに、熱い。





「職員室行くのは止めないよ。
だけど、上履きぐらい履いて行きなよ。

…上履き、どうしたの?」





真宮くんの、哀しげな表情と、優しい声が、無意識にいれていた力を抜いていく。

あたしは真宮くんから目線を逸らし、無言で首を振った。

すると真宮くんは、あたしを軽々と抱き上げた。




「ま、真宮くんっ……!?」

「大人しくしてて。落ちちゃうから」




真宮くんは優しく、あたしの肩と膝の裏を支えながら、職員室へと歩いて行く。







…ああ。

あたしはやっぱり……。