あたしは今まで、橘家の立派な家の門の外から話していたけど。
あたしの胸の高さぐらいの門を勢いよく開け、美人さんへ近づき、その頬を叩いた。
屋上で叩いた時よりも、良い音がした。
「最悪だわ、アンタ。
何でそんな軽々と真宮くんにそんなこと言えるの?
アンタたち、親子でしょ?
どうして里沙には優しくするのに、真宮くんには優しく出来ないの?
何があったのか、アンタたちの家庭事情は知らない。
だけど何があっても一緒に乗り越えていくのが家族でしょ?
真宮くんと里沙が苦しい時、支えてあげるべき大人でしょ!?」
何故いじめは消えないの?
いつだったか、別の財閥の次期社長で、同じく『いじめ防止委員会』の会員である誰かに言われたことがある。
あたしはその時、上手く答えることが出来なかった。
だけど、今なら言える。
きっといじめは、些細な嫉妬から生まれてしまうものなんだ。
人間が生まれた時から持つ、嫉妬と言う心から、いじめは生まれてしまうんだと思う。
あとは、自分に合わない人間だと相手を認識してしまうから。
合わない相手を、人は認めず、同志の人間が集まっていじめは起きるケースもある。
本当些細なきっかけから、いじめは生まれてしまうんだろう。
全員が許し合う心を持つほど、人間はそこまで発達していないし、強くないから。
簡単に起きてしまういじめを止められる、そんな人が必要なんだ。
いじめられている人も、いじめをする人も救うのが、周りの人間ではないのだろうか?
傍観者であったり、家族であったり。
支える人はバラバラだけど、誰か1人でも味方になることが出来るのなら、人を簡単に救えると思うんだ。


