「やめてぇ!」
静かな高級住宅街に、美人さんの叫び声が響いた。
「言う…言うから…やめてぇ……」
「わかりました」
あたしはスマホを鞄へ仕舞う。
「里沙が見たって言っていたことは、本当ですか?」
「…本当よ」
「何を話していたんですか?」
「……海へ、行きなさいって…」
「海?」
何で海?
「今は、海水浴客が少ないから、海は静かで良いわよって。
もし本当に今…生きていたくないと思うのなら…良い場所だと思わないって……」
美人さんがボソボソ話すその内容に、あたしは言葉を失った。
「そんなっ……」
それ、自殺を薦めているようなものじゃない!?
何言っているのよ、この人!


