「お母様。
あたし…真宮くんが、好きなの…」
「うん……」
「あたしは久我山の次期社長で、『いじめ防止委員会』の会員だってことわかっているわ。
真宮くんが一般人で、『いじめ防止委員会』が追う“スクール・キラー”の正体だってこともわかっているわ。
だけど、好きなの…。
大好きなの…。
忘れようとすればするほど、好きになってしまうの。
何度も忘れたいと思った。
他に好きな人出来れば良いなって思えた。
でも、思い出すのは真宮くんのことばかりなの。
真宮くん以外のことは、考えられないの。
あたしは、真宮くんが…好きなの…」
何度否定されても。
何度罵られても。
何度裏切られても。
―――何度も、彼を好きになれるだろう。
胸張ってそう言える、自信があった。
「…美海ちゃん、村瀬くんから聞いたかしら?
あたくしとお父様が、美海ちゃんにどういう恋愛をしてほしいか」
あたしは村瀬の言葉を思い出す。
『確かにお嬢様は、いずれ久我山を継ぐ立場。
そのお相手になる方は、やはりそれなりの身分が必要だと思われるのも無理はありません。
ですがご安心を。
旦那様は、お嬢様が好きになった方ならお認めになると言っております。
旦那様同様、奥様も、お嬢様には自由な恋愛をしてほしいと望まれています。
例え身分が低くても、学業が優秀でなくても。
お嬢様がその方を好きだと言えるのなら、どんな人を好きになっても良いと』


