「ただいまー」



誰もいない部屋へ向かって、私は言う。

これが日課だから。




私の両親は、仕事が忙しくて、いつも夜遅くに帰ってくる。

小学生の頃から変わっていないので、特に気にしていない。




むしろいないから、たまに夜遅くまで里沙と電話することも出来る。

里沙の家は基本放任主義の家みたいだから、殆ど干渉はされないみたい。



私の周りには、里沙以外の友達はいるけど。

里沙以外はそんなに仲良くない。

むしろ、学校内でしか話さなくて、放課後一緒に遊びに行く仲じゃない。





それに。

きっと、皆は知らないはず。





どうして私が、

久我未美子をいじめるのか。

その理由を、きっと里沙以外は知らない。




里沙は内面黒い部分があるから。

面白半分で久我未美子のいじめ計画を話してみたら、ノッてくれた。




明日も学校だから、必然的に久我に会う。

それを考えるだけで憂鬱だわ。



だけど、教えてあげるわ、久我未美子。






私を敵に回した、その理由を。

いつかアナタは、知ることになるのヨ……。