だけど。
ずっとずっと手に入れることが出来ない、そんな大事な存在が、出来そうなんだ。
心から俺が守ってあげたい、そんな存在が出来そうなんだ。
壊さないでくれ。
壊さないで、くれ。
俺の、やっと出来た存在を、手に入れることが出来た“日常”を、壊さないでくれ。
俺はあの子―――異父妹・里沙へ向かって、メールをうった。
教えてほしい。
佐山が何故、俺の異名を知っているのか。
言わないで、ほしいから。
彼女に。
大事な、存在に。
俺の血塗られた過去を、言わないでほしいから。
返信は来なかった。
だけど、来るのがわかっていた。
里沙は、俺の血塗られた過去を知っている。
俺を本気で怒らせるとどうなるか、きっとアイツは知っている。
でも今の俺は、過去の俺じゃない。
大事な存在である彼女を守るために、俺は里沙にメールを送るんだ。
来てほしいと、言うんだ。
守りたいから。
俺の、壊れた過去から。
過去の、狂った俺から。
愛すべき、彼女を。


