「佐山さん」
声をかけると、佐山は面倒そうに振り向いた。
…何でだろう?
佐山は俺を、いつも嫌そうな顔で見る。
俺は佐山に、何かしただろうか?
里沙は俺と義理の兄妹だと言うことを明かしていない。
俺も明かしていない。
…里沙が、唯一と言って良いほど仲の良い佐山になら話したのか?
「……何よ」
「未美子ちゃんが、佐山さんに用があるんだって」
「……未美子…ああ、久我さんね。
私は用事、ないんだけど?」
「未美子ちゃんが呼んでいるんだ。
保健室にいる、行ってくれないか?」
「……ねぇ」
俺の頼みをスルーして、佐山は俺を見た。
「アンタは何で、あの子の傍にいるのよ」
「何で?
守りたいからに決まっているでしょう?」
「はあ?
守りたい、ですって?」
佐山は鼻で笑うと立ち上がり、俺を見てニヤリと笑った。
「“スクール・キラー”が、人を守りたいなんて思うわけないでしょ?
よりによって、いじめられっ子の久我さんをなんてね」
“スクール・キラー”。
その言葉に、俺は無意識に反応した。
ドクンッと、心臓が嫌な音を立てた。


