俺はさり気なく、未美子ちゃんの手を握って、教室まで歩きだす。
何も言わない未美子ちゃんだけど抵抗はしなくて。
俺の手を、握り返した。
一言も声を発しないけど。
彼女が俺を信じてくれることだけは、わかった。
何も言わないけど、俺の手を握るその手が、全てを物語っていた。
全て、俺に委ねている。
全て、俺に任せている。
俺を、無条件に信じている。
中身が最低だ、俺は。
自分勝手な目的のために、彼女へ近づいた。
本当は近づくべき存在じゃなかったんだ、彼女は。
彼女に似合うのは、彼女と同じような、無邪気な人間だ。
少なくとも、俺じゃない。
汚れた、俺じゃない。
俺じゃ、イケナイ。
どうすれば良い?
このままうわべだけの味方として、彼女の傍にいる?
もう、彼女の不幸な顔や泣き顔を見たいと思わなくなったのに?
だからと言って、心から味方だと思える?
彼女はどうする?
俺の正体を知ったら。
俺がキミの否定するいじめをしていた過去を知ったら?
多くの人の人生を狂わせた、新聞にも取り上げられた事件の黒幕だと知ったら?
好キニナル?
嫌イニナル?
今ノ俺ハ、
好キ?嫌イ?


