裏切るのは簡単なこと。
ただ掌を返して、冷たい態度を取れば良い話。
近づいた、仲良くした、優しくした。
その理由を話してしまえば、立派な裏切りになる。
裏切られたことがないはずなんだ。
簡単に裏切ることが出来る。
でも、離れない。
彼女の泣きながら笑う、あの笑顔が離れない。
折れそうなのに、
折れる気配がない。
台風や、突風の被害に合っても、咲き続ける花のような。
強い笑顔が、離れない。
「……クソッ…」
ギュッと、拳を握りしめる。
ポキッと、親指の関節が鳴った。
扉が開く音がした。
俺は急いで立ち上がって、何故か校長室から出てきた彼女の横に立った。


