職員室近くに置かれている、来客用の椅子。
俺はそこに腰かけ、未美子ちゃんが出てくるのを待った。
あの子、俺のこと完全に信じ切っている。
…馬鹿だな。
信じても愛しても、裏切られるのによ。
あの子は今まで、裏切られたことがないってことか。
「……羨ましいな…」
自分でも知らないうちに、そう言っていた。
気が付いて、急いで辺りを見渡し、誰もいないことを確認する。
いたのは、職員室に向かって行く、クラスメイトの佐山だけ。
裏切ってやろうか?俺が。
1番の味方だと信じられている俺が、裏切ってやろうか?
そうしたら本当に、彼女の不幸になる顔が見られるよな?
『真宮くんっ!』
『おはよう、真宮くん』
『ありがとう、真宮くん』
『…本当に、ありがとう』


