「ただいまー!」
「ただいま」
帰ってきた、母さんと里沙。
楽しそうな、見るからに親子。
「お兄ちゃん?」
「里沙、野菜を冷蔵庫にいれるの手伝ってくれない?」
「うん、良いよー」
俺の横を通り、台所へ母さんと消える里沙。
俺はそれを見て、自分の部屋へ向かって行った。
…もう、良いや。
何もかも、良いや。
くだらない。
中学の時からそうだった。
もっと前からかもしれないな。
どうなっても良かった。
父さんと母さんが離婚してからも。
母さんが俺を殴ったりしていても。
同級生が俺をいじめても。
いじめられている俺を黙認している教師も。
勝手に勘違いして、勝手に仲間へ連れ込んだアイツらも。
自分のことだけ考えて泣いているいじめられっ子も。
自分がいじめに合わないよう、うわべだけの友人関係を築くクラスメイト達も。
もう、
どうなっても良かった。


