アイツらが学校を退学して、数日経った。
俺は母さんに連れられ、見知らぬ男と女に会った。
男は母さんと同い年ぐらいで、女は俺と同い年ぐらい。
「美弦。
ワタシね、彼と再婚しようと思うの」
気持ち悪い笑顔を浮かべて、母さんは言った。
家での、怒り狂う母さんじゃない。
俺は内心恐怖を覚えながらも、「良いと思う」と伝えた。
「彼女は、彼のお子さん。
橘里沙ちゃんよ。
美弦と同い年なんですって」
「そうなんだ…。
真宮美弦です、初めまして」
「橘里沙です」
「美弦と里沙ちゃんでは、同い年だけど美弦の方が誕生日が早いのよ。
だから美弦の方がお兄ちゃんになるのかしらね」
母さんのいつもと違う態度を見て、確信した。
父さんと母さんが離婚した原因は、母さんの浮気。
目の前にいる、どこか母さんに似ている俺と同い年の女。
母さんの浮気相手は、コイツだ。
そしてこの子は、この男と母さんの間に出来た、実の娘。
俺とこの男の血は、繋がっていない。
一方で、この子は男と母さんの間に出来た娘。
…俺だけじゃねぇかよ。
この中で、唯一血が繋がっていない人間は。


