笑みを浮かべるのを止めない美弦の頬に、美海は渾身の力を込め、平手打ちをした。
広い屋上に、乾いた音が響き渡る。
「イテテ……」
「最低…最低だよ…真宮くん……」
美海は涙を流し続けながらも、美弦を睨みつけた。
「いじめは、駄目なんだよ…?
幸せになる人なんて、絶対に存在しないんだから。
真宮くんにとって、いじめは楽しいものかもしれない。
不幸になるのを見るのが好きって言っていたから…。
真宮くん、頬痛いでしょ?
イテテって言っていたの、あたし聞いたからね。
いじめられた人の気持ちも考えてよ。
いじめられた人は、身体中痛いし、勿論心も痛い。
どうして真宮くんは、いじめられた人の気持ちを考えてあげないの。
どうして自分のことしか考えられないの?」
『未美子ちゃん』
あの笑顔を、
あの行動を、
あの優しさを、お願いだから。
「何もかも、否定しないでよ…。
自分の気持ちだけ、肯定しないでよ…。
本当は、今でも信じられないし、信じたくないよ。
あたし、凄く嬉しかったんだ…。
真宮くんに、話しかけてもらえて。
好きだって言われた時も、勿論嬉しかったし、何より、傍にいられることが幸せでしょうがなかった。
確かに今、裏切られた感はあるよ。
だけど今感じるのは…。
真宮くんに全てを否定された気分だよ……」


