「騙し通せると思ったのによ…。
まさか、かつて僕が…いや、俺がいじめた奴がいたなんてな」
「忘れるわけないじゃない…。
あの笑顔、強烈よ…。
下手したら、トラウマだわ」
「そんなにかよ……」
肩を揺らして、笑う彼。
口元を歪め、笑うその姿は、やっぱり美海の知らない人だった。
「どうして…。
どうして、いじめなんてしたの…」
震える声を隠し通すことなど、美海に出来なかった。
心のどこかでは、信じていたい。
美弦が“スクール・キラー”じゃない、と。
「決まってんだろ?
暇潰しだよ、暇潰し。
お前は知っていると思うけどな。
人っていじめる時、良い顔するんだぜ?
やめて。
いじめないで。
…そうやって、必死な顔で俺に助けを求めるの。
その顔を、俺はずっと見たかったんだ。
俺は人の不幸を見るのが好きなんだよ。
俺が元々、幸せじゃなかったからな。
俺よりもっと不幸になってほしかったんだよ。
それが理由だ。
お前に近づいたのも、お前の不幸が見たかったから」
「あたしの…不幸……?」


