美海は縁にいる2人の元へ向かう。

今いるのは、美海を含め3人。

だけど、今から始めるある計画に必要なのはこの3人を含めた、4人。

しかしもう1人は姿が見えない。





「……彼は?」

「いるはずよ、ねぇ里沙」

「うん!」




里沙が力強く頷く。




「そういえば、この計画の名前、どうしましょうか?」

「美海、それ必要かしら?」

「ナイスアイディアだよ!久我ちゃん!」

「そうよね?
じゃあ…推理劇、はいかがかしら?」

「推理劇?
ミステリー小説の読みすぎじゃないかしら?」




妙子の率直な意見に、美海は苦笑いを浮かべた。




この間。

妙子と里沙が、美海の現在の自宅へやってきた日のこと。

美海は2人を下の名前の呼び捨てで呼んでいるが、2人は美海を「久我さん」と呼んでいた。

しかしこの計画を実行することを決め、妙子と里沙は、美海への呼び方を変えた。




妙子も里沙も、美海の正体を知っているので、妙子は『美海』と呼び。

里沙は「変わった呼び名が良い」と言うことなので、『久我ちゃん』と呼んでいる。




「久我ちゃん……?」

と最初は美海も首を傾げたが、今ではすっかり『久我ちゃん』に慣れていた。