真子とあの可愛い男が教室から出て行ったあと、俺は動けずにいた。



「…あの子…」



その時、やっと秋が口を開いた。



「あいつ、知ってるのか?」



俺がそう聞くと秋は頷いた。



「1年生で超可愛い男の子が入ってきたって噂があったの。それがあの子。松永隼人くん」



やっぱり1年だったか。

それにしても本当に可愛い顔してたな。



「え?何?いつの間に真子、あの子の仲良くなったんだろう?」



「俺も知らない」



松永ってやつは絶対真子のことが好きだ。

でもカーディガンを貸す関係?って仲が良いのか?

貸すくらいだから、真子も嫌ってはいないはずだ。

これはやばい。ライバル出現かもしれない…。