理想の恋人って!?

「大丈夫か?」
「あ、う、うん」

 電車の揺れはしばらく続き、晃一の腕に力がこもる。私は晃一の胸に頬を押しつけたまま、彼の腕に支えられている。

 守られているみたい。

 鼓動が私の意思とは関係なくどんどんリズムを速めていく。

 ドクンドクンと大きく打って、まるで私の心臓じゃないみたい。

 そう思って気づいた。今耳元で鳴っているのは、晃一の鼓動だ。

 私はそっと左手を自分の胸に当てた。

 耳元で聞こえる晃一の力強い鼓動と同じくらい、私の心臓も速いリズムを刻んでいる。

 晃一もドキドキしてるの? でも、相手は私だよ?

 そう思って見上げたら、晃一と目が合った。重い、とか、早く離れろ、とか言われるのかと思ったのに、彼はふっと目をそらしてボソッと言う。

「まだしばらく揺れるだろうし、俺に体重、預けとけ」
「う、うん、ありがとう……」

 やだ、こんなの反則。口調はいつもと同じでぶっきらぼうなのに、言葉も腕も優しいんだもん。

 嬉しいのと切ないのとで胸がいっぱいになって、晃一のジャケットに頬を押し当てた。

 ずっとこうしていたい。