私の追求に、晃一は口をつぐんでしまった。普段なら遠慮せずに言いたいことをズバズバ言うくせに、この思わせぶりな沈黙はいったい何なんだろう。
「ねえ、何が言いたいの? 車のお礼はご飯じゃない方がいいってこと?」
「何でもない」
乱暴な口調でそう言うやいなや、晃一はアクセルを踏み込んだ。急に加速して、私は背中を座席に押しつけられる。
「もう、いったい何なのよ」
晃一が何も言う気配がないので、私は頬を膨らませてフロントガラスの向こうに視線を送った。街灯の少ない海沿いの道は暗く、対向車もまばらだ。
頭の中を、さっきの晃一の言葉がよぎる。
『兄貴さ……彼女と別れたんだって』
そうかぁ、誠一さん、あのふわふわワンピースの彼女と別れちゃったんだ。お似合いだったのにな。
でも、周囲がどれほどお似合いだと思っても、本人たちの気持ちが同じ方向を向いていなければ、もう恋人ではいられないんだ……。
誠一さんは私が好きだった人。ずっと憧れて、恋人になってほしいと思っていた人。私が理想の男性だと思っていた人。
そんな人と別れちゃうなんて……。二人の間にいったい何があったんだろう。
「ねえ、何が言いたいの? 車のお礼はご飯じゃない方がいいってこと?」
「何でもない」
乱暴な口調でそう言うやいなや、晃一はアクセルを踏み込んだ。急に加速して、私は背中を座席に押しつけられる。
「もう、いったい何なのよ」
晃一が何も言う気配がないので、私は頬を膨らませてフロントガラスの向こうに視線を送った。街灯の少ない海沿いの道は暗く、対向車もまばらだ。
頭の中を、さっきの晃一の言葉がよぎる。
『兄貴さ……彼女と別れたんだって』
そうかぁ、誠一さん、あのふわふわワンピースの彼女と別れちゃったんだ。お似合いだったのにな。
でも、周囲がどれほどお似合いだと思っても、本人たちの気持ちが同じ方向を向いていなければ、もう恋人ではいられないんだ……。
誠一さんは私が好きだった人。ずっと憧れて、恋人になってほしいと思っていた人。私が理想の男性だと思っていた人。
そんな人と別れちゃうなんて……。二人の間にいったい何があったんだろう。


